2008-01-01から1年間の記事一覧

水木しげる伝(下)

精神的な落ち込みが激しい日はマンガを読むのがいい。 特に効き目があるのが、水木しげるの作品。 貸本マンガ時代のものか、そうでなければ土着的妖怪以外のモチーフが望ましい。 今日は、 『マンガ水木しげる伝―完全版 (下)』 (講談社漫画文庫) を読む。い…

日本のTVドラマ

二年前にダウンロードしていた日本のTVドラマを(思うところがあって)英語字幕中心に読んでいる。放映された2日後にはアップされていたので、早いもんだなあと感心していたのだけれど、時折とんでもない誤訳が混じることを発見。たとえば、 “reconstruction…

ショップ99へ行く道すがら、片手で、それも掌上にラップトップPCを乗せて何やら熱心に喋っているアジア人(イスラム圏?)大男2名発見。車両交通量が多い一角なのだが、そんなことは一向に気にする様子なし。再度振り返ってみると、なんだか、屋台のウエイ…

新書

浅羽通明『アナーキズム』、ちくま選書意外な参考文献やキーワードがふんだんに散りばめられているので読んでいて愉しかった。特に、災害=ユートピアというテーマを立てた、マイケル・バークン『災害と千年王国』、北原糸子訳(新評論)という本が興味深い…

『実践批評』

I.A.リチャーズ『実践批評』 英語教育と文学的判断力の研究、坂本公延 訳、みすず書房忸怩たるかな、読み止し状態で返却。原テキストが難物なのだろうか、決して読みやすい訳文ではない。裏表紙の惹句にある『オックスフォード文学辞典』の引用部分は、かな…

BWV564

元気づけに何かクラシックを聴きたいときは、バッハ「BWV564 トッカータ、アダージョ、フーガ」がいい。いつもはTon KoopmanのCDを聴いているのだが今日はYOUTUBEで。 演奏の様子というか「大変さ」が見て取れて楽しい。ドローン低音部のぺダリングは職人芸…

末木剛博先生著『記号論理学―その成立史の研究』

末木剛博、『記号論理学―その成立史の研究』(東大学術叢書15)、東京大学出版会、1962もう十年以上、古書店に立ち寄る際には必ず探していたのだが見つからないままだった。 ようやく落掌。全286ページ、新書サイズのハードカバーで、目次は以下。 序文 0. …

神生彩史句集『故園』

彩史の第二句集をようやく入手。 神生彩史、句集『故園』、琅玕洞、1956年「序・日野草城、昭和二十七、二十八、二十九、三十年作品、戦争に関する作品、跋・伊丹三樹彦、あとがき」という構成。印象に残った句を引用させていただきます。 土砂降りの中うつ…

「Mo Ghile Mear」

The Chieftains『Long Black Veil』の劈頭を飾る「Mo Ghile Mear」(唄・Sting)を鼻歌にすることがあり、興に乗ずるうちに全く出鱈目なゲール語が自分の口から飛び出して、我ながら「馬鹿か」と思うことしばしばなので、冷静なうちに歌詞を覚えたいと思い立…

新書

岡嶋裕史『ウチのシステムはなぜ使えない SEとユーザの失敗学』(光文社新書)を読む。土屋賢二先生のエッセイに笑ってしまうたちなので、随所にそれと同質のユーモアを見出し、笑う。私はIT業界とは無縁な人間だけれども、外部情報から想像するものとそれほど…

ひさしぶりに図書館の放出棚から、『世界文学全集 -20世紀の文学27』 サミュエル・ベケット「モロイ」、三輪秀彦 訳 サミュエル・ベケット「追放された者」、三輪秀彦 訳 サミュエル・ベケット「鎮静剤」、清水徹 訳 サミュエル・ベケット「終焉」 、三輪秀…

ものぐさYoutube+CD

昨日書き忘れていた。『嵐が丘』を読んでなるほどと感じたのは、Kate Bush「Wuthering Hights」が小説のイメージとえらくマッチしていることであった。特にストリングスとかぶってエンディングを導くギターソロが、テキストでの結末のイメージそのままではな…

鴻巣友季子訳『嵐が丘』(新潮文庫)

『考える人』という雑誌で「特集 海外の長篇小説ベスト100」という企画があり、E.ブロンテ「嵐が丘」が上位であるのを見て、そういえば読んでいなかったなぁと思い、図書館で借りようと思ったが先客がおり、暫く待った後の借り本で読了。その文庫本は随分と…

岡倉天心『茶の本』

岡倉天心の『茶の本』は良い英文なので是非読むといいと、以前誰かにすすめられた記憶があるようなないようなで、ともかく読了。英文だけを読むつもりであったが、頭でっかちな倒置が多くて読みづらく、存分に桶谷秀昭先生の訳文を参照した(泣)一読してこ…

世田谷美術館「冒険王・横尾忠則」

懐かしい人と一緒に世田谷美術館の「冒険王・横尾忠則」展に行って来た。 彼女は横尾忠則をまったく知らなかったので、この企画の展示作品にはあまりピンとこないのではないかと少々心配だったが、かなり愉しんでくれたみたいだった。横尾ファンの俺として興…

「羅和辞典で安値のものがあったら知らせて欲しい」という友人のリクエストにかないそうなものを見つけたのでお知らせした(研究社のやつが4,500円)。 その際、ホッブスで有名な“Bellum Omnium Contra Omnes”の“Omnium”がなんだったか記憶があやふやなこと…

五十嵐一『神秘主義のエクリチュール』(法蔵館)

たまたま図書館で目にした、五十嵐一『神秘主義のエクリチュール』(法蔵館)を読む。 予想とは違いたいへん読みやすい文章である。五十嵐氏が学部では数学科(東大)を卒業されていたことを初めて知った。 バブルの頃、TVにてイスラム問題についての時事…

突然ギターざくざくの轟音を聴きたくなることがある。'85年頃、齢を重ねてもメタリカくらいはたまには聴くのではないかと予想していたのが、今となってはメタリカを聴き返したいと思うことは殆どなく、まれに脳内に蘇ってくるザクザク音源は、Slayer、S.O.D…

渡辺哲夫『〈わたし〉という危機 問いの再生1』(平凡社)

かのモラリストに「太陽も死もじっと見つめることはできない」という箴言があるが、著者が長年対峙してきた重篤のスキゾフレニー患者は、文字通り、太陽と死をじっと見つめる狂気のうちにあった。 この著作は、既著『死と狂気』(筑摩書房)でとりあげた「夏…

CDで聴くよりこっちのほうがいい。 レヴィン禿翁のイントロにしびれる。 ブリューのランダムっぽいタッピングにしびれる。 フリップ教授の笑顔/真顔、コードの上昇/下降。 なんかどうでもよさそうな歌詞......。 (そういえば昨晩は、『ザ・ロア・オブ・P…

四月馬鹿げた風が吹く、アウレリャーノ・バビロニアよ

きょうは西東忌。 1年はあっというまである。 昨年も春台風ばりの烈風であったが、それは早暁までで、午後は夏日だったはずだ。 今日はきのうと同様、花冷えである。 まったく能が無い話だが昨年と同様、 君らに風の強いスカート西東忌 秋元不死男 が、頭の…

『黒い星』

じつにあっさりと、大原テルカズ『黒い星』を借りることができた。 テルカズは大野我羊に師事し、大東亜戦争末期に『芝火』同人となったそうだ。また、八幡城太郎の教導を受けたことも記されていた。小林恭二が『実用 青春俳句講座』のなかでチラっと述べて…

津田季穂画集

土曜日に神保町でひとと会う。 そして、そのひとたちと源喜堂に行った。 何も買うつもりはなかったけれど、『津田季穂画集』をみつけ、丁度いい値であったので買うことにした。以前、『銀花』という雑誌でこのひとを知り、敢えて喩えれば「イコン」のような…

新書の類

近頃読んだ新書的なもの。梅田 望夫/茂木 健一郎『フューチャリスト宣言』(ちくま新書) 「フューチャリスト」といっても、もちろんマリネッティやデペロなんかの未来派とは関係がなく、かといってラビ・バトラ、トフラー、コーニッシュなどとも恐らく違う…

Mark knopflerで検索したら、こんなのがありました。 ロック青少年たちにはおなじみなのかな。 ブリティッシュロックスター勢揃いです。おもわず、デイヴ・ギルモアのフレーズの続きをハミングしてしまいました。 The Wallアーティスト: Pink Floyd出版社/メ…

もう届いた

William H. McNeill, The Pursuit of Power: Technology, Armed Force and Society Since A.D. 1000, University of Chicago Press. ¥2,358昨晩注文して、今晩入手する。並の配送を選んだというのに! 前回の購入本は、在庫なしの取り寄せ品であったためか…

『戦争の世界史』

稲葉振一郎さんのブログで知った『戦争の世界史』を図書館から借りたままツン読状態だったのだが、予約者が出て延長できなくなり、慌てて70ページあまり読んだところで返却。失敗した。 とっとと読んでおけばよかった。だって、「そうだよ、これを知りたかっ…

久方ぶりに小説の新刊単行本を購入

最後に買った、新刊本の小説(単行本)は、町田康『くっすん大黒』しか思い浮かばない。 となると十数年ぶりということになる。中原昌也『ニートピア2010』(文藝春秋社)以前「誰が見ても人でなし」についてエントリしたら、友人の艸。氏から、「ああいうの…

海底走競技

<夢>大きな邸宅の地下に体育館があり、そこは観客席が設けられていることからも分かるように、なかなかしっかりとした造りであることが分かる。何かイベントの最中であり、近隣の高所得者層家庭のお母さんと子どもたちが集まっている気配がある。(場面一…

半ちくだった悲しみに

会社の創業者が米国からやってきて、スタッフ一人ひとりに是非とも挨拶したいと述べられ、取締役の発案により、スタッフ数十人が順繰りに彼の前へ出て、一言かけながら握手するという寸法となった。皆さん口々に 'Nice to meet you' 'Thank you' と、ほとん…