2008-01-01から1年間の記事一覧

円谷プロ的夕刻

東京は十日も前の話ですが、昼間は小春日和で風が強い一日だったことを覚えておられるでしょうか。近所では風雲がすごい光景をかたちづくっていました。これ「山に黒雲」というタイトルでも通るかもしれませんが、城南地区でのシーンです。山に見える部分も…

病あがりです

「たまには病気が必要なのかも」なんて一寸でも考えたせいだろうか、これまでで最悪の食あたりを体験してしまいました。 どうやら月曜日の午前0時ごろに食べた柿が原因らしいのですが、傷んだ牡蠣ならともかく傷んだ柿を三口ほど食しただけで、一時は救急車…

横尾忠則『病の神様』(文藝春秋)

病の神様―横尾忠則の超・病気克服術作者: 横尾忠則出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2006/04メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 5回この商品を含むブログ (14件) を見るとても面白かったです。あっと言う間に読了。p18 「日常と非日常、あるいは生と死」 …

「[絶叫委員会]33 世界が歪むとき 」穂村弘 ―『ちくま 2008年12月号』

「おい、驚いたよ。俺ん家にもうひとつ部屋があったんだ」 吉行淳之介が電話をかけてきてそう云った、という話をどこかで読んだ記憶があるのだが、あれは誰の本だったろう。吉行の場合は洒落の一種だったかもしれないが、実際にそんな体験をしたら世界が歪む…

『Mind パフォーマンス Hacks』

Ron Hale-Evans、『Mind パフォーマンス Hacks ―脳と心のユーザーマニュアル』、夏目大(訳)、オライリー・ジャパン記憶について、以前これを読んで、日本語が同音多義を多く持つこと、五と七の音数によってリズムをとる習慣がついていること、かつ五と七の…

Manga

図書館で面陳してあった以下を借りた。 Paul Gravett, Manga: Sixty Years of Japanese Comics,Laurence King (2004)著者はイギリス人。本のなかで写真入りで紹介されているコミックや雑誌は彼のコレクションからひっぱってきたものだとか。およそ2K冊を一度…

個人情報保護のすすめ

このエントリーを読んで思い出した。去る9月のとある日、じっくり読書しようと数冊の本を抱えて近所のカフェへ行ったのだが、折からやって来た女子大生二人組みのガールズトークに出逢うことになり、お一方の留学先での閨(ねや)における男女の交情について…

珠ゆ神偈

幼馴染のKちゃんが入籍していた。 なので先日お引越しのお手伝いをした。 豪が付く上戸のKちゃんは、おそらくディオニュソスのうから。一方、新婦は完璧下戸なのです。 でもこれで安心です。アルコールで身体を壊すこともなくなるでしょう。催馬楽(さいばら…

東京都文京区の病院。雨まじりの曇天なり

忘れていた。先日久しぶりに行ってきました。心願社の露地売(@100円)でFour Existentialist Theologians: A Reader from the Works of Jacques Maritain, Nicolas Berdyaev, Martin Buber, and Paul Tillich , Will Herberg (ed.) , A Doubleday Anchor Bo…

『ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影』

大手書店で、内堀弘『ボン書店の幻 モダニズム出版社の光と影』(ちくま文庫) を見つける。文庫になっていたのか、いいぞっ、筑摩書房。 早速あとがきを読んだ......「三日間泣き続けていた」「梨の木」」のくだりで一気に目頭が熱くなった。間違いなく名著…

トンデモ批判 ― 約2千年も昔の

王充、『論衡』、東洋文庫、平凡社図書館の棚を眺めながら漫ろ興味を惹かれる本を手に取る時間は楽しい。ときには思わぬ偶然(シンクロ)に出逢うこともあり、そこに超自然の働きともいうべき何かを感じてしまうことがままある。この度は、永田耕衣の十八番…

久しぶりに小説。

部長のジェンダーを最後のほうまで勘違いしてました。ぼくは落ち着きがない作者: 長嶋有出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/06/20メディア: 単行本購入: 5人 クリック: 140回この商品を含むブログ (147件) を見る

東京都目黒区:深夜の複合施設型商店街(二階の歓楽街より)

ほぶらきん

ほぶらきんがアップされている。 高校生のころ『ホームラン』というEPだかソノシートだかが出て、そのタイトルとジェケ絵に惹かれて是非とも購入しようと思っていたのだが、気がついたら入手困難となっており、そのうちバンド自体のことも忘れてしまっていた…

『ケータイ小説的。』

速水健朗『ケータイ小説的。――“再ヤンキー化”時代の少女たち』(原書房)読後「へー」と思ったことをランダムにあげると、 相田みつをはヤンキーに人気がある 特徴の一つは「回想のモノローグ」 読み手はノンフィクション小説であることを求めている 学校を…

商店街のはずれを歩いていると、 「いかねぇーのかよおお!! くらぁ、てめぇはよぉ、ざっけてんじゃぁねぇーぞおおお!!」と怒っている御仁がいる。スワっ喧嘩かとそちらに眼をむけると、肥えたボディーに金髪系短髪、加えてちょいワル不精髭をさらしたお父さ…

天才ユダヤ人ジョーク

ボーっとしていたら、R.スマリヤン『天才スマリヤンのパラドックス人生』(講談社)で知ったジョーク(著者作)を思い出しました。つくづく傑作だと思います。 飛行機での移動中。暇をもてあましていた計算機科学者のレヴィが論理学者のモシュにいいました。「ね…

すぶや

東京都・渋谷

あぶらだこ

カセットテープ・ポータブルプレーヤーが未だ現役であったとある日、ラッシュアワーの電車内で、隣のお姐さんのヘッドホンから漏れ響いていた曲が分かりました。それは、あぶらだこ(という名のバンド)の「White Wolf」という曲なのでした。そう、このベル…

Tokyo-Ga

小津安二郎監督へのオマージュとして評判となった、ヴィム・ベンダース監督『東京画』('83)では、東京を移動している車中における、TVのザッピングシーンがある。神宮球場の「ヤクルト×巨人戦」は解説が野村克也氏である。「野村スコープ」が評判だったの…

きょうは20年に一度の登校日。新調した制服を着て地元の中学校へ行く。席に着くと、元同窓生たちは嬉しそうに近況を報告し合っている。そこへ何故か私の高校時代の担任が入ってきて出席をとりはじめる。 彼は高校時代三年間付き合わされたアル中数学教師であ…

『バルタザールどこへ行く』+K戦略

京橋のフィルムセンターでロベール・ブレッソン監督『バルタザールどこへ行く』('64)を観た。七分程度の入りだろうと予測していたけれど満席(310席?)であった。素晴らしい作品だった。 ロバが登場する単純な(≒プロットが複雑ではない)ストーリーなの…

『コペルニクス的宇宙の生成』

図書館の特集棚に面出ししてあった、ハンス・ブルーメンベルク、コペルニクス的宇宙の生成(1)(2)、後藤 嘉也/座小田 豊/小熊 正久 訳、法政大学出版局 をパラパラ捲って衝動借り。といっても多分、訳者のあとがきと梗概だけを読んで卒読せず返却することに…

『顰蹙文学カフェ』

『顰蹙文学カフェ』をザッと立ち読み。板前時代の車谷長吉さんは厨房で捕獲したネズミを出刃包丁で処理していたのだそうだ。毎朝。 そして、その出刃で捌いた鮮魚の刺身をお客に供していたらしい。流石。当時は粘着シートがなかっただろうから、例の、粗忽者…

滂沱滂沱

12日に日付が変ったばかりの深夜、youtubeで土方巽を観ているうちに、なにゆえか「見上げてごらん夜の星を」を猛烈に聴きたくなった。そうしたらいつのまにか目頭が熱くなってくるし、モニターが霞んでくるじゃないのよ。 自分でも何でこんなに悲しいのかわ…

ついあ〜な毎日だ。ブログをアップする気になれない。はやく秋がこないかなあと思ううちに、頭中に冬が駆け抜け、はやく春がこないかなあと思っている自分がいる。ボケボケである。でも、そのおかげで、シューベルトのリートでとても好きな“Im Fruhling”を思…

新江ノ島水族館

神保町のマサバが機縁になったわけではないが、ひとに誘われて新江ノ島水族館に往って来た。いやあ、いってよかった。楽しかった。年間チケットまで持っている同道者がお目当てとしていたイルカショーもなかなかよかったけれど、やはり、魚類ですよ。企画も…

暑い日の神保町は鬼門だ。 まちがいなく体調が悪くなる。でも月に一度はぞめかぬと気が済まないので往って来た。案の定、偏頭痛気味になる。 直射日光と高い気温が原因なのは言うまでもないことだが、車の排気ガスがトリガーになっているような希ガス......…

『オンエア』

「週刊現代」をパラパラ捲くり「あれっ」と思った。柳美里さんの連載小説『オンエア 第29回』のなかに“ディベチ”という懐かしくも忌々しい四文字が見えた気がしたのだ。「ま、まさか、ね」と思いながらページを戻すと確かにあの特殊コミュニティのことを登場…