新江ノ島水族館

神保町のマサバが機縁になったわけではないが、ひとに誘われて新江ノ島水族館に往って来た。

いやあ、いってよかった。楽しかった。

年間チケットまで持っている同道者がお目当てとしていたイルカショーもなかなかよかったけれど、やはり、魚類ですよ。

企画ものの「深海生物展」は、
夏休みはえのすいで深海について学ぼう!不思議な深海の世界、深海にすむ生きものたちを、えのすいらしく、楽しく分かりやすくご紹介します。深海コーナーでは貴重な深海生物、数多くの標本の他に、2007年にオープンした世界唯一深海環境を可能な限り再現した「化学合成生態系水槽」完成までの記録映像や、JAMSTECの深海調査船で撮影された深海の貴重な立体映像をご紹介。また東京工科大学の協力による「深海の音」の展示もお楽しみいただけます。”という主旨のもと随時ガイドさんの説明が受けられる按配。

水槽内に赤色の照明が部分的に使用されているのはなぜだろうと同道者に訊かれ、ついうっかり、「深海らしさの演出じゃないのか」と答えたそばから、「これは普通の照明では深海生物を刺激して弱らせてしまうから赤色をつかっているのですよ! 深海生物は赤色は感知できませんのでね。」とガイドさんに窘められてしまった。なるほどそうだったのか! 光は全く感知しないものだと思っていた。亡骸の集合のように蝟集した「ミョウジンシンカイコシオリエビ」の眼は完全に退化しているかのように見えたのだが。。。

わたしとしては一番印象的だったのが、昭和天皇、今上天皇、悠仁親王の研究対象となった魚介類(ヒドラ、ハゼ、ナマズなど)のコーナー。なぜか撮影禁止(いや、なぜかではなく、フラッシュが魚たちを驚嘆させるから)であり、律儀な同道者に「カメラはだめだよ」と二度も制される。当コーナーの水槽は水景デザイナーの意気込みが伝わってくる素晴らしい出来だったので是非とも携帯デジカメにおさめたかったのだが。。。

あとそうだ、あのラブカが本年4月に相模湾で生け捕りにされしばらく展示されていたのだそうだ! 残念ながら既に液浸標本と変わり果てていた。まことに残念。

で、当然というべきか、例のガチャガチャがあったのでためらいなくやってみたところ、サンマとブリを捕獲。同道者にサンマを贈呈。隣にあった海洋堂のやつはもっともっと精緻ですばらしい仕事を施したものだったけれど、今はストラップ型が欲しいのでサンプルを観ただけ。

日没になって水族館を出る。大通りでは旧車会の連中が爆走をくりひろげている。鼓膜をつんざく排気音。しかしきちんと信号待ちは遵守している。前浜から戻って来た裸族たちはその半数ちかくが身体の一部に刺青を入れている模様。しかし皆さん、まったりと海辺の休暇を愉しんでいるようだ。

普段なら「いかにも」な人間ばかりに埋め尽くされた湘南に見えたことだろうが、数時間も水族館に居たせいか人間たちも様々であることが認識された。殊におそらく半日くらいは浜辺にいたのだろうに絵に描いたような色白青年(サーファー)がいたのには驚いた。なかなか日焼けできない中学時代の友人がいたけれどそんなレベルではなく、透きとほるように真っ白だったのだ。でも、アルビノというわけではなさそうだった。


忠実に仕事をこなすバンドウイルカ。名前はあるがよほどの通でないと識別は六ケ敷いだろう。


もと大リーガー投手・伊良部選手のニックネームはクラゲであった。