2007-01-01から1年間の記事一覧

「焔」第77号

福田美鈴さんの連載「吉田一穂さんのこと 2」を読んで、あたかも厳寒の外出先から帰って来て、暖炉の炎にあたったかのような気持ちになった(暖炉にあたった経験はないが)。 ずっと昔、亡父から聞かされた一穂先生のイメージそのままであった。武蔵野の小…

本年最後の神保町

昨日土曜日。突然行きたくなっていってきました。神保町。 相変わらず財布は軽いわけですが、とりあえず行ってこようかと。とりあえず三省堂に行こうかと。 というのも金曜日に渋谷に行ったらですね、数年前まで旭屋書店さんがあったところにブックファース…

クワインと一緒にパースを読んだ邦人

『たまたま、この世界に生まれて』、鶴見俊輔、編集グループSURE逸話の宝庫ですね。 各論を丁寧に分析・対照する仕方で斯界の全体像を浮き彫りにするような(書生好みの)展開はありませんが、日米開戦時にハーヴァード大学で哲学を学んでいたという、し…

大晦日カモン

最近の購書で胸がときめいたのは、「薔薇」第五巻第五號 昭和三十一年五月一日発行 「薔薇」第五巻第四號 昭和三十一年四月一日発行 「火山系」第五號 昭和二十四年四月一日発行 「旗艦」No.41 昭和十三年五月一日発行以上である。 一冊500円位で譲っていた…

ぎゅあ〜んどどどど

Youtubeで見つけました。 不朽の名盤『Reign in Blood』にサブタイトル(英語字幕)をつけたクリップです。 日本語/英語のオノマトペの違いを楽曲で知るのも楽しいものですが、血まみれのカデンツァはどうにも不可能だったようです(知ってる人はここで(笑…

深沢七郎ギター

深沢七郎のCDを聴く。 正確にいうとCDではなく知人に録音してもらったテープである。正直言って、聞いてるうちにハラハラしてくる。 これって一発録だったのだろうか、と思う。 もしかすると酔っていたのかな、とも思う。 押弦がやわらか過ぎるせいか、殆ど…

ああやはり

前回書き忘れたけれど、本がらみで得をしたとき、特にロハで良いものを入手した場合、ほとんどの場合、一週間以内に書籍で散在してしまう羽目となる。マーフィーの法則(死語かもしれぬが)に追加して欲しい。きょうは、プレゼントのお返しを探しに大型書店…

geb.

仕事の帰り久しぶりに平日の図書館に立ち寄る。 しかしながら目当ての本は隣町にあったことを憶い出す。 仕様がないのでソファで週刊誌やらをざっと読んでいるうちに睡魔が襲う。席を移して手持ちの本を読み進めようと考えたのだがこう眠くてはかなわない。 …

PLASTICS

ちょうど中学一年生だった時(もう30年近く前)、日本中が第一次テクノ音楽ブームに沸いていた。いやほんと、一大ブームで、周知のとおりYMO(イエローマジックオーケストラ)はまさしく神、所謂、ゴッドだった。またその頃、TBSラジオ「夜はともだち…

不在

昨日古書店で入手した、『現代フランス文学13人集3 トマ■デ・フォレ■クノー■ベケット』(新潮社刊)をもって、飽きもせず、鉄砲洲大川端に行く。どんよりした空で過ごしやすかった。 女性がひとり、青年がひとり、それぞれあとからやってきて、イスに腰掛け…

天文や

いきなりであるが、2000年は「天文」の上で二つの忘れらない出来事があった。 ひとつは、7月16日の皆既月食である。 この方のHPの情報によると、継続時間が1時間47分もあったのだった。 近所の邸宅地区を抜ける坂道頂上から南空を見上げて観察した、全き銅…

メシ喰うな

午前のTV番組で新聞のクリッピングをやっており、最近の「くさいメシ」は「うまいメシ」になっておるということで、佐藤優『獄中記』から引用した記事を紹介していた。最後は、元芸人の清水圭(だっけ?)が「これじゃあこれからのVシネマなんかで、ヤクザの…

Anything Goes

ひとが聞けば「なんだそんなこと」と気にもかけないだろう卑小な事柄でウツ気分であった。 そんな時は本屋に行くにかぎる。というか本屋しかない。たまたま開いたのが、ポール K.ファイヤアーベント 『知についての三つの対話』(ちくま学芸文庫)だったのだが…

すこーちん

1行エントリだけはするものかと思っていたが、する。熱帯夜がひどくて何もする気がおきん。もうしばらくブログはお休み。吾がPCよ、もってくれ。

van dyke parks『Discover America』

私の部屋はエアコンフリーである。一昨日の熱帯夜、扇風機は熱風機であった。 往来に出たほう涼しいくらいだ。 午前三時までは台所のカウチでうつらうつらしていた。 若干気温が下がったんで残りの三時間は部屋に戻って寝た。熱帯地方に近づいている生活のせ…

高田馬場 渋谷

昨日は久方ぶりに馬場へ。 一年ほど前、西脇順三郎『えてるにたす』をみつけたものの、己が財布のあまりの軽さに断念。涙を呑んだ。その復讐戦である。もちろん、西順はなかった。おそらくとっくに。しかし詩歌関係がのきなみ値を下げている昨今であり、古書…

三冊

悲しいことに、というか予想通りというべきか、私が出会う中で詩歌に興味を抱いてくれる人は殆どいない。殊に俳句となると、「ナニソレ(信じられない)」という実に悲しくも差別的な言辞に出会うことすらある。それでもまあ、いつか一人くらいは本気で興味…

大川へ

昨日またもや大川の水面を眺めに行く。泥色であった。 テラスでは犬を連れた老人たちが散策している。 よく見かける黒鳩はおらず。鴎が4羽ほど。 曇天すずやか。すごしやすい。帰りに教文館に立ち寄る。そいで、四方田犬彦『先生とわたし』を購入。ほんとは…

鄰書ノ外題其ノ二

昨日の帰宅時のジェイアール、吊り革につかまった真向かいに、二十歳くらいの女性が居眠りしていたのだが、膝上本が気になってしょうがない。生憎裏表紙が上を向いている。 レトロモダニズム的な図案がどうしても気になる。一体何か知らんと眼を凝らすと、三…

ありがたや

この一週間、なんか生きてるだけの状態。虚しい。しかしたとえば、現代音楽に関する書籍等の文章、素敵なブロガーたちによるマイナー音楽に関するエントリ・コメント、行川和彦「パンク・ロック/ハードコア史」などなどを読みながら、つくづくYOUTUBEってい…

河内音頭

町田康『告白』読んで、河内音頭をちゃんと聞きたいと思っておりましたが、鉄砲光三郎のものが図書館にはありませんでしたので、とりあえず、『再発見・ニッポンの音/芸 アウトロー伝説』(テイチク)から京山幸枝若「河内十人斬り(浪曲河内音頭)」を。そこか…

雑音が音楽を変える

多木浩二、「雑音が音楽を変える」、『大航海 No.56』所収.ノイズについて、そのリズムの特徴によって、ルイジ・ルッソロがたてた六分類が載っていた。 引用します。 車のゴロゴロいう音、唸り声、爆発音、衝突音、サブンという音、とどろくような音。 空…

FRANCESCO CLEMENTE

図書館未使用本放出で、ALBERT SAVINIO, FRANCESCO CLEMENTE, The Departure Of The Argonaut, Peterburg Press, 1986.をいただいた。ありがとうございます。これです。サヴィニオ(小説)って知らない。クレメンテ(絵)も知らない。 サヴィニオは巻末の Tr…

副島種臣展

先日、五島美術館で開催されている「蒼海副島種臣 全心の書」特別展に行ってきた。文字の方から「勘弁してくれよ」と文句が聞こえそうな悪筆の自分。書道との縁も学生時代に某新聞社書道展にてアルバイトしたことぐらいなのだが、榊莫山『書のこころ』(NHKブ…

くさめして我は二人に分かれけり  阿部青鞋

本屋さんで『素数の音楽』という非常に美しいタイトルの本を目にしてぱらぱらとめくる。 現代音楽がテーマかと思いきや、まさに「素数」を巡る数学読み物だった。 冒頭ちかくに3つの数列問題があり、うち2問は私のような暗愚にも即答できる小学生レベル。…

鄰書之外題

東急線に乗っているとクリスチャン系女子小学校生徒どもが乗車してきた。 立派なものである、半数近くが本を読んでいるではないか。誰であろうと他人が読んでいる本は気になるものだ。確認できたのは、モーリス・ルブラン『古塔の地下牢』、星新一の何か、理…

ぶくおふ

『プリンキピア・マテマティカ序論』、A. N. ホワイトヘッド+B. ラッセル 著、岡本賢吾+戸田山和久+加地大介 訳、哲学書房. 『フィネガンズ・ウェイク I・II』、ジェイムズ・ジョイス 著、柳瀬尚紀 訳、河出書房新社. 以上単行本(2冊で1,200円セール中…

橋より橋へ

エルンスト・ルートヴィッヒ・キルヒナーの作品をながめていたら、今更ながらああっと気づいた。 伝説的なマンガ「人間時計」である。これって、画風が表現主義だったんですね。貼り付け画像(電子コミック版のサンプル)では分かりづらいかもしれませんが..…

きりしたん語なんかいんごうな

見な見ぬこんてむつすむん地の極南 加藤郁乎きりしたんの訳語のことだと、種村季弘の解説で知っていたが、その意味を調べるのをず〜っと忘れていた。ここでわかった(飛ばずとも、ブラウザーのステイタスバーに表示されますでしょうか)。「Contemptus mundi…

神保町

きのうは、神保町を旅してきました。到着は午前10時半ごろ、帰途に着いたのは午後7時近くと、これまでの最長滞在時間だったかもしれません。神田明神例大祭中(神田祭)でありました。今回は、三省堂でみせてくれた、友人の大人買いに感動です。 トータルで…