天才ユダヤ人ジョーク

ボーっとしていたら、R.スマリヤン『天才スマリヤンパラドックス人生』(講談社)で知ったジョーク(著者作)を思い出しました。

つくづく傑作だと思います。

飛行機での移動中。暇をもてあましていた計算機科学者のレヴィが論理学者のモシュにいいました。

「ねえ、お互いクイズをだしあわない? 五ドルづつ賭けようよ」
「う〜ん、オレは眠いんだよぉ、ムニャムニャ」
「どうしてさぁ、眠気ざましにもってこいじゃないか」
「ダメダメ、しっかり睡眠をとっておきたいんだよ」
「分かったよ。それじゃ、君の問題を正解したら五ドルもらうけど、もしも分からなかった場合は僕が君に十五ドル払うってのはどうだろう」
「む〜ん、しょうがないなぁ......じゃあ、問題を出すよ」
「そうこなくっちゃ!」
「朝でかける時は1本足なのに、夕方帰るときは7本足になっているものってなあに?」

レヴィは早速ラップトップPCを開き、キーボードをカチャカチャ敲きはじめました。
最初はハミングしながら膨大なデータベースを参照したり、彼自身が作成した最新プログラムを走らせたりと、たいへん軽快な様子に見えましたが、そのうち鼻歌もやめて、じっと腕を組んで考えこんでしまいました。......そうして30分後、彼は観念した調子で言いました。
「はぁ〜、だめだ、分からなかったよ」
モシュはニコっと笑ってレヴィの胸ポケットから素早く十五ドルを抜き取りました。
レヴィは少々むっとして言いました。
「それで、いったい正解は何なんだい!?」
モシュは黙って五ドルをレヴィの胸ポケットに戻しました。

*上は、曖昧な記憶をもとにした私流の加工品です。正しくは本著を御参照くださいますよう。