個人情報保護のすすめ
このエントリーを読んで思い出した。
去る9月のとある日、じっくり読書しようと数冊の本を抱えて近所のカフェへ行ったのだが、折からやって来た女子大生二人組みのガールズトークに出逢うことになり、お一方の留学先での閨(ねや)における男女の交情についての一方的な喋くりを、いやというほど耳に仕込まれる仕儀となったのだった。
ご本人にとってはよっぽど胸ときめく夏季留学だったのだろう。大学名(都内の名門私大)、学部・学科、留学先、当地で合流した他大学名、個人名などを周囲に憚ることなく、なんの警戒感なく、トークの随所にちりばめるのである。
話を聞かされている相手方友人はそのヤバさを感じているのだろう、せめてイニシャルにするように仄めかしている気配がある。しかし完全に有卦に入ったご当人は微妙なサインが目に入らない。
小一時間経っても話終える様子がないので、わたくしはもう読書どころではない。彼女の隣に席を得た女性客が早々に、数分で退散するのを見て、私も降参ですとばかりに席を立った。東海林さだお描くところの『ショージ君』ならどうしていただろうか。
しかしまあ、巷間で謂われる「非モテ」ではない、男女の交歓などメシを食うのと同日であろう非「非モテ」系の若人らは、奔放に青春時代の男女の交情を謳歌しているんだなあということが分かった。
耳に入ってきた情報で印象的だったことを以下に記す。万が一ご本人様がこのブログを読んでいるのなら、これを機会に今後は個人情報管理にはゆめゆめ気をつけなはれ。
- ちょっとイケテル先輩がいたので速攻同衾した(高校時代の合宿でもそうだったけど)。
- でも先輩はチューをしてくれただけだった。どうしよう、本気で彼を好きになってしまったよ。
- 同衾の最中何故かバレテしまうカップルがいた。そんなときは、ドアの隙間にコンドームが差し込んであったりしてユーモラスな悪戯があった。すごく大人に感じた。ほんと大学生になったんだなあって思ったよ。高校時代だったらやいのやいの言われて大変なのに。
- ところで別のイケメン先輩は過去に、彼自身は本気だったのに、手をつけたフレッシュマン女子に完全スルーされることが続いたんだって。でもそれは、高校時代に「棄てる」ことができなかった女子たちが、女になるためにイケテル先輩を利用しただけということ。結果先輩は恋愛恐怖症が癒えないんだって。あんなカッコイイのに彼女がいないのはそういうこと。どうすんだろう超カワイソー。
書いているうちに宇能鴻一郎的になってしまったけど、こんな感じであった。
一番すごいと思ったのは、まだ二十歳前後で、けっこう愛らしい面貌の女子と同衾して、チューだけですますことのできる男子の充足度である。ムキーっ......いや、それともへテロではないということか。
- 作者: 東海林さだお
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