随分前の話だが、Nさんと街歩きした折に、皇族のかたが学習されている大学のベンチで一休みさせていただいたことがあって、確か夏休み中であったかと記憶するが、補講ゼミかなんかを終えたらしき学生たちが元気よく建物からとび出してきて、「わーい、遊ぼうぜー!」とばかり、男女なかよく缶蹴りし始めるのを目撃したことがあった。
ゼミの担当者らしき、髭をたくわえた白人オジサン先生が「ウホホホホ」と温かなムードで学生たちを樹下から見守っていらっしゃった。
この光景を目の当たりにした乃公は、横でのんびり缶コーヒーを啜ってゐるNさんに向かって、「斯様なる遊戯というものは小学校時代で卒業するもんじゃあないですかねえ?」と疑問を呈したところ、「え? おまえ、いろいろとうるさすぎるんじゃないの? いいじゃないの実に愉しそうで……」と、むしろ乃公をたしなめる口調だったことに、缶蹴りを目撃した以上の驚きを感じたものだった。