末木剛博先生著『記号論理学―その成立史の研究』
末木剛博、『記号論理学―その成立史の研究』(東大学術叢書15)、東京大学出版会、1962
もう十年以上、古書店に立ち寄る際には必ず探していたのだが見つからないままだった。
ようやく落掌。
全286ページ、新書サイズのハードカバーで、目次は以下。
序文
0. 序論
1. 前史
1.1 近世の思考法――デカルトとホッブス
1.2 表意記号の論理学――ライプニッツ
1.3 ライプニッツ以降
1.3.1 ラムベルトの論理学
1.3.2 ハミルトンの試み
1.3.3 ド・モルガンの論理学
2. 論理計算の体系
2.1 ブウルの論理代数学
2.2 ブウル体系の修正――ジェヲンス
2.3 パアスの新しい試み
2.4 シュレエダアの大成
2.5 ブウル体系の統一と全体性の認識
2.5.1 ハンチングトンの公理化
2.5.2 ホワイトヘッドの普遍代数
2.5.3 バアコフの束論
3. 命題論理学
3.1 フレエゲの命題論
3.2 ラッセルの逆理と階型論
3.3 命題論理学の単純化と修正
3.3.1 公理系の単純化――ヒルベルト,ニコド,その他
3.3.2 階型論の単純化――ウヰトゲンシュタインとラムゼイ
4. 命題の論理学の拡張(Ⅰ)――集合の論理学
4.1 シュレエダアの集合の論理学
4.2 フレエゲの体系
4.3 ラッセルの集合の論理学
5. 命題の論理学の拡張(Ⅱ)――関係の論理学
5.1 ド・モルガンの関係論理学
5.2 パアスの関係論理学
5.3 シュレエダアの関係の母式と図解
5.4 フレエゲの体系
5.5 ラッセルの関係論理学
6. 様相論理学と多値論理学
6.1 マッコルの様相論
6.2 ルヰスの最初の体系
6.3 ベッカアの修正
6.4 ルヰス・ラングフォオドの体系
6.5 ルヰス・ラングフォオドのS5系の解釈
6.6 ルカシヰチの体系とその修正
7. 論理体系の反省
7.1 ウヰトゲンシュタインの恒真命題の説
7.2 ヒルベルトの公理論
7.3 タルスキイの高次言語論
8. 結論――論理とは何か
文献註
人名索引
自分にとっては、片手で開いてザーッと読むというわけにはいかない内容なので本当はもっと大きな判型が有り難いのだけれど、フレエゲの表記法も組版されているこの新書サイズの叢書を、好きなときにポケットから取り出してパラパラ捲るというのは非常に「クール」なのではないかと思う。