「凄惨さ」となると'70年〜'80年は海外の残酷/残忍映画のCFや広告が世間を賑わしていたよね。
『人間解剖』という、どうやらスペインのD級映画のTV用CFでは、ナレーターがタイトルを「にんげんかいぼううううう〜〜」とおどろおどろしく読み上げていたんだけど、担任の先生から「その映画のCMの真似は許しません!」と再三注意を受けているのに馬鹿学童だったおれは何度も教室でソレを真似していてやがては平手打ち(ビンタ)を食らったんだった。
もちろん責任は体罰を是認していた学校側、そしてそもそも、残酷なイメージのCFを平気で流していた放送局/電通の側にあると思うとるよ。ムキーッ。

いやしかし、大人にとってはそのいかがわしさに紛らわされて笑ってすませる映像でも、たとえば『グレートハンティング』で8ミリ撮影しているパパを背後からライオンが襲って貪り食っているシーン(じつはヤラセ)とか、『カタストロフ 世界の大惨事』でビル火災に遭遇した人間が落下していくシーンとか、当時の小学生たちにとっては結構ショックだったはずであり、正直言うとそうしたシーンを初めて見せられた際に俺様は吐気を覚えてしまうヘタレだったのだが、男子というのは無意識のうちに残酷耐性を競い合おうとする性質がある(あった)ので、横に友達がいるときなどは敢えて「すげえー!」とか「笑えるぜ!」などとお互い平気なふりをしていたものである。

いまの子供らはどうなんだろうか。アニメにもなり実写化もされた『GANTZ』を全巻読んでみて感じたのは、当時であればひっそりとSM雑誌あたりに掲載されるレベルの残虐描写にあふれているなーということであったのだが…。