森雪は小学校生時代の高○が女神の如く崇拝していた2次元アイドルだ。

当時は、遠足・林間学校・移動教室・社会科見学などのバス中で、言いだしっぺが「誰が」「誰と」「誰を」「どこで」「何した」etcをそれぞれ皆から募集し、それをランダムに組み合わされることによって作成される文の珍妙さ、あるいは、噂のたえない男女が組み合わされたときのワクワク感などを楽しんでいたものだった。

こんなものが読み上げられた、「KNは古代進と手をつないでひょうたん池でデートした。」

KNは女闘士Hと人気を二分する可愛子ちゃんで、ピアノが弾けるお嬢さんであった。高○は幼稚園の入園式からずっとKNに惚れていた。かつ、「古代進」を提出したのは彼だった。KNは「いやだああああ、気持悪いぃぃ!」と叫んだ。高○は「きみは古代進を知らないのかっ! 森雪が惚れた男なんだぞっ!」とヒステリックに立ち上がって、彼女に自己反省を求めるようなしぐさをした。
たまらず誰かが高○に「馬鹿じゃねーか?」と言い放ち、皆それに同意した。

高○は妄想によって自己同一視しているアニメキャラ・古代進と現実世界で憬れているKNがデートするという夢のような文章が級友たちの前で生成/披露され即時にそれをKN本人に激しく拒否されたことで如上の錯乱に至ったわけだが、KNは「古代進」を投じたのが高○であることを知ってをり、さらには、高○がハイレベルの妄想系男子であることも当然知っていた……。
いま思うと随分と残酷な瞬間だったのだなー。