禍々しい広告を祓うための駄話

近所のスタバについてはリーマンショックまでは外国人の方たちにも多く利用されていて楽しい雰囲気でした。彼らの姿は東日本大震災以降さらに見かけなくなりました。

数年前のとある日、ひょうたん池大学に滞在中の三人の白人さん(老けて見えるけど20代後半?)――リーダー格が計算論で、あとは化学、工学の研究者だと自称――が試験勉強中の短大生を一所懸命ナンパしていたのには笑っちゃいました。

彼らは、「なに勉強しているの? ノート見せてよ!」からはじまって小一時間も彼女達の勉強を邪魔した挙句、「これから知り合いの店でパーティがあるから行こうよ。お金の心配はいらないよ。そこで勉強みてあげるよ!」などと云いながら勝負に打って出たのでしたが、「とても厳しい先生なのでこの授業だけは絶対落とせないんです…」と獲物候補たちから鄭重に断られ、肩を落とし名残惜しそうに引き上げて逝きました。短大生らも苦渋の決断といった風情でしたが立派な選択でした。

でも、白人研究者らも立派でした。半年しか勉強できなかったという日本語でしたがその運用能力はとても半年の成果とは思われず、もし事情を聞かなければ最低3年間は勉強したに違いないと思わせただろうほどの見事さでした。

その小一時間もちろん読書は捗りませんでした。いまはなきソファー席ゾーンでの直隣席だったので、そのような場所で斯様なる面白いひとたちと出会えば、どんなに集中力の天才であっても、読書を継続するなど不可能なわざだったに違いないと思われます。