昨年あたりから近所に白人さん家族が新築一戸建てに移り住んできたり、欧州語で会話しながら歩いているひとをよく見かけるようになってきた。住人なのか短期滞在者なのか分からないけれども、中国語を喋るがいじんさんも増えてきていて、これを記しているいまも、往来で酔っ払ったチャイナが愉しそうに何か叫んでいるのが聴こえる。

福島第一原子力発電所の事故以降近所でがいじん人さんの姿を目にする機会が減少したと、すくなくともオレにはそのような印象があるのだが、海の向こうでは、「もう大丈夫っぽくね? 三本腕の赤ん坊とか、四つ目の赤ん坊とか産まれてくるほどの被害じゃなさそうだし?」というムードなのだろうか……。

まあそれ以前にリーマンショックを境にしてがいじんさんとご近所周辺ですれ違うことが急激に減ってはいた。それまでは近所のスターバックス行けば、なんの商売やっているのかよくわからぬとつくにびとらが、ゆったりPCなどを広げて色々くっちゃべっていたりして、その雰囲気に魅了されてオレも結構通ったものだった……。

そういえば先日の夜半、何語だか俄かには判じかねる言語で喋っている体格のイイがいじんさん男女グループが飲み屋から出てきて、オレはかれらのすぐ後ろを歩いていたのだが、ひとりがチラッとこちらに気づいた瞬間から会話を日本語に切り変えた(もの凄く流暢な日本語で声だけ聞いていたら日本人と変わらないレベルだった)。異国の巷にあっては出来るだけ御当地語で話したほうが無難だとする経験則が働いているのかしらんと忖度したが、そこには「とくに日本では」という但し書きがあるのかもしれないゾと思わしめる、すくなくともそう受けとめてもあながち間違いではなさそうな、ある種の気配があったことは確かである。