Y君との思い出で35年間気になっていることがある。
それは、「夜空にふしぎな光が認められたので傍らにいる大人に聞いてみるとオゾンによる現象だと教えられた」という、彼が夏休みの家族旅行先で遭遇した体験談である。

Y君は一体何のことを言っていたのだろう。日没後雲の間に青空が残っているように映ることがあるけどそれについてのことなのだろうか……。どこか聞き違いの可能性もあるし……迷宮入りだ。

とにかくオゾンという言葉はそこで初めて覚えた。年下の彼に詳しく教えてもらうのが癪だったので「へー」と生返事するしかなかった小学4年生の迂生であった。

そうだ、以下をいつか読もうよもうと思うだけでついぞ読もうとしない中年のおれである。
物理の散歩道 新装版
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