と思うんだよね……。01
小学校6年生のとき、友達を屋上に通ずる階段の踊り場に呼び出して、気をつけの姿勢で目をつむらせて、いろいろまじないをして相手の両腕を地面と水平になるまで(前方に)上げさせるという不可思議な遊びをしてきゃっきゃ喜んだことがあるんだけど、あれ一体なんだったんだろうかと思うんだよね。
俺はいきなりH君に試されて吃驚して、彼からまじない方法を教えてもらって直ぐ後に3人くらいに試したら、そのうち2人が見事に術にかかったのだけれど、推察するにH君は「腕が自然にあがってくる」という言葉を皆の耳に入るように何処かでこっそりと口にしてたんじゃないかと思うんだよね(多分教室内で)。それが吾々の無意識の裡にアンカーとなっていて、まじないのプロセスのなかの「一度ぎゅっと相手の両手をにぎ」るアクションがトリガーとなったんじゃないのかなと思うんだよね……。
あのとき「何故そのような珍奇なる現象が生じるのか」をきちんとH君に追及して、その筋の研究家を目指し努力を継続してをれば、俺もいまごろ トマ・ベティ のような大金持ちの妖人になって若い美女たちをはべらしていたのかもしれないと思うんだよね。