geb.

仕事の帰り久しぶりに平日の図書館に立ち寄る。
しかしながら目当ての本は隣町にあったことを憶い出す。
仕様がないのでソファで週刊誌やらをざっと読んでいるうちに睡魔が襲う。

席を移して手持ちの本を読み進めようと考えたのだがこう眠くてはかなわない。
お彼岸前後の過ごしやすくなる時期は睡魔と闘う時節でもあるが、結局帰宅することにする。

ところが重い眠気を吹き飛ばす僥倖に出会った。
放出本棚に、あのゲーデル, エッシャー, バッハ』が、それも寄贈未使用本が鎮座しているのだ。
なんだか、私が来るのを待っていたかのようにも映った
(家には友人から10年以上借りっぱなしのやつがあるのだが、それはいい加減お返しすることにしよう)。

ほかにも、以下をいただく。

丸山真男『戦中と戦後の間』(みすず書房
蓑谷千凰彦『統計学のはなし』(東京図書)
石村貞夫『統計解析のはなし』(東京図書)

ありがとうございます。みな大切にします。
私も寄贈主義者ではあるが、『GEB』ほどのものはまだないので、
これくらい太っ腹にならなくてはいけないと思う。
今度本を整理した時は、寄贈候補を数冊選ることにします。

本の神様は真に粋である。
欲しかった逸品を逃した後、あるいは、大切にしていたものを人に差し上げた後には、大抵、(同等)に素敵なもので空いた書棚スペースを埋めてくれるのである。

関係ないが、この一週間、職場の文化系女子にいろいろ差し上げたばかりで、その中には、加藤郁乎『出イクヤ記』もあった。彼女が某仏文の大家と交誼があったことを聞かされたので、嬉しくなってあげてしまった。
彼女にとっていまは全く分からんだろうけど、いつか分かってもらいたいという気持ちを込めた。しかしはたして......。