ああやはり

baskov2007-10-06

前回書き忘れたけれど、本がらみで得をしたとき、特にロハで良いものを入手した場合、ほとんどの場合、一週間以内に書籍で散在してしまう羽目となる。マーフィーの法則(死語かもしれぬが)に追加して欲しい。

きょうは、プレゼントのお返しを探しに大型書店を歩き周った。
久しぶりに八重洲と丸の内まで足をのぱす(一日仕事になった)。

結局、地元ABCでみつけた洋書写真集が一番よいだろうと思い、(丸の内にもあったけれど)その地元店で購入しようと決心する(地域書店重視)。
そんじゃあ帰る前にと、余裕をかましてぷらぷらArt棚に引き寄せられたのが運のつき、かつ、有卦の再来となった(すなわち煩悩)。

これを発見してしまったのだ!

萩原恭次郎節だとこうなろう)
饂飩のやうにのびきつた脳髄を装甲車が蹂躙する。
とてつもない物慾●●●  とてつもない物慾! ●●●丸ノ内


ま/ず/い。
「一時間後にはこれを抱えている自分があるだろうなあ」という確信に近い予感。この物欲を解剖したらどのような腑分図が開陳されるのか......という無意味な内省。大型本を抱えて走るジャン=ポール・ベルモント(フェルディナン)のイメージの反復。

落ち着こう。
奇麗なトイレに座して考える。
トイレを出て、今度はベンチに座し財布を確認する。
「なあんだ無理じゃないか、手持ちがないもの」と一寸ホットしながら雑念が巡る......しかしあれだな、紙幣・硬貨と排泄物は似たようなものだな、日々出入りしていくモノではないか、否、おあしの方は日々入ってくるわけではないか、いやいや、給与所得者だって事実上日々サラリーが加算されているシステムである、そういえば、川田順造先生がクロード=レヴィ・ストロースを訪ねてインタヴューした番組(NHK)で、レヴィがひっぱり出してきたお宝って、ひりだした雲古が大判小判になっていく江戸時代の錦絵だったなあ......とその瞬間、そうだ、こういう時こそクレジット・カードがあるのだ! と気づき、めぐりの悪い脳に悪態をつく。

たしかに散財。
でも満足しています。

後記;
排泄物が出入りするというのはあまりにスカxxであるが、The Stalin『TRASH』所収の「冷蔵庫」の一節「冷蔵庫のなかのなか開けてみたらば(略)世界の便所!!」が連想されており、なにゆえスターリンなのかといえば、それはきっと、トラッシュのジャケット(宮西計三作)を思い起こしていたからです、と、言い訳けする。