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昨年ヘルプチーム先でよくお喋りした理工系青年もいつの間にか消えていた。また自室に引きこもりながらでも遂行可能な(ITの)仕事に就いたのであろう。

本家チームで英語話者対応だったS女史は長年悩まされてきた持病が急速に悪化したため辞職してしまった。昨年仕事中に意識を失い救急車で運ばれてから、「もういつ死んでもおかしくないのよ」「べつにこんな世界に未練なんてありゃしないわ」などと折に触れて仲のよい社員と話していたので、「いつやめてもおかしくはない」と周囲のひとたちは覚悟していたようではあったが、それでも皆のあいだに「あ~突然やめられてしまった・・」感が漂っているのが伝わってくる。

帰国子女だったS女史はお育ちのよさと米国で受けた教育の影響か「上品かつ強い」ひとで社内でも目立つ存在だった。彼女はすでに還暦を過ぎていたようなのだが外見はせいぜい50歳くらいで、(そもそも)年齢など感じさせない活力と甲羅を経たユーモアのある方だった。