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恐竜のミイラ化石を見て思いだした。

子供の頃のおれは、たとえばこの、 the Royal Tyrrell Museum of Palaeontology in Alberta, Canada. に展示されている恐竜ミイラ化石を鑑賞するのであれば、この姿をいわばひとつの完成形として見て魅了されるようなところがあった(いまでもあるのかもしれない…)。

いまでもはっきり覚えているのは、(たしか)小学館の「なぜなに学習図鑑」シリーズのうちの一冊にジェット旅客機の製造工場が見開きで描かれていて、そこにはまだ塗装される前の未完成ジェット機の姿があったのだが、当時5歳のおれはそれをひとつの作品として見て魅了されてしまい、「誕生日にはこれと同じプラモデルを買って欲しい!」と父にせがんだのである。

父はジェット旅客機の完成体のほうだと思い軽い調子で 「いいよ」 とうけあったのだが、おれはすぐに父が勘違いをしていることに気づき、「それじゃなくてこっちのやつが欲しい!」と正しく指差すと、「これ……? こういうのは売ってないよ……」と困った表情で云うので、ひどくがっかりしたものである。

モデラーのひとは自分の子供からのこの程度のリクエストには朝飯前で応えるのだろうな……。