思い出しました。8月号のクーリエジャポンに掲載されている、カイゾン・コーテ氏というペンタゴンに籍を置く人物へのインタヴューです。
引用させていただきます。
(p.62)

もちろん、わずかなミスが重大な結果を招くこともあるので、気を抜くことは許されません。たとえば、赴任先で文化の違いからミスを犯すことがあります。中東の某国でスターバックスを見つけたので、そこで列に並んだところ、平気で割り込んでくる人がいました。米国なら「間違えてますよ、列の後ろはあちらです」というところですが、この国では割り込むのは王族なのです。そこで後ろに行けと命じるなどというのは許される行為ではありません。


新訂 福翁自伝 (岩波文庫)上を読んでピンとくるひともいるでしょう。そうです。福翁自伝です。朝早くしかるべきところへ出向く必要があり駕篭を待っていたところ、身分が上の武士たちが無遠慮に割り込んでくるので、諭吉先生一行がようやく乗り込むことができたのはもう昼に近かったという苦々しい記憶を書き記している箇所です。当今流に謂うところの「江戸しぐさ」のリアルな一端というべきでしょう。
※いま当該箇所を確認しようと本棚を探したのですが見当たりません。まだ読まれていない方はぜひ一読されるのがよいかと存じます。