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数日前「引っ越すことになりました」と黒目高さんから告げられて即座に応えるに、
拙「○○○に、でしょ?」
黒目高さん「うん、○○○......えっなんで!!」
事前にまったく聞かされていなかったにもかかわらず直感的にその場所が浮かんできてしまったのだ。自分でも一体なにが起きたのかよく分からなかった。、
それが起点となって、シンクロニシティのこと、横尾忠則さんのことなどなどをお喋りして盛り上がった。
そして帰宅後。これを拝読して驚倒しそうになり、その衝撃で黒目高さんの引越し先がなぜ浮かんできたのかが思い出された。
実はその数日前の日曜日に俺は叔母の老人ホームを訪れたのだが、初めての土地だったのでバスを降りてから路傍に立つ看板型の地域案内図を確かめたのだった。そのときに○○○が隣接区であることを認めたのである。ただそれだけのことなのだ。
それだけのことなのだが、叔母は十年前にクモ膜下出血で病院に運ばれ一週間意識が戻らずICUで治療をうけていた。叔母は遠方に独居していたので俺は親戚と交代で病院につめていた。担当医は「あぶないかもしれない」と云った。
ある朝、病院近くのビジネスホテルでTVをつけると、横尾忠則さんと瀬戸内寂聴さんが対談をしていた。NHKだったかと思う。司会の女性アナウンサーに促されて瀬戸内さんは横尾さんが装丁を手がけた自著数冊を紹介した。
「この一冊は違うよ」と横尾さんが横槍を入れる。
「いいえ、横尾さんにやっていただきました」と寂聴さん。
「いやこれは違うよ!」と横尾さん。
「違いませんよ」と頑張る寂聴さん。
女性アナウンサーはちょっと困りながらも笑い顔。
俺はそのやりとりが大層ツボにハマッテしまい、間歇性思い出し笑い症候群に罹ってしまった。そして確信した。「叔母は助かる。助かるどころか元のとおりの生活に戻れる」と。
叔母はほどなくして意識を取り戻しその後十年間も独居生活を送ることができた。担当医は彼自身ののキャリアのなかでこれほどの回復力をみたのは初めてだと語った。そりゃそうだろう、なんたって「病の神様」経由の回復力なのだから。
夢を記述するようになったのは高校生の頃からだと思うが、特徴のあるものは必ず日録につけてをり、最近では拙ブログに記したりしている。言われてみれば、確かに偶然の符合が起き易くなったことを実感する。
俺のソレには不吉性がまったくない。毒にも薬にもならないようなどうでもいいことが大半だけど、最近では何かメッセージ性のあるものが増加している。
いずれにせよ、そうした偶然の重なりを愉しむのは(正体不明の)手品師の手妻を堪能するようなものだと言えようか。客観的には然るべきことなのだろうがそれを詮索してもつまらないという料簡。
補記
◆偶然の重なり具合が桁外れに凄い(たまにこのブログで紹介する)シネフィル・Nさん。彼も面白い夢をみたときは欠かさず日記につけているはずであり、それをわざわざ俺に電話報告することさえある。
◇ちなみにNさんの娘さん(現在美大生)は中学生のころから巨匠の大フアンらしい。どこかのギャラリで出会って握手してもらったことが自慢だとか。
◆そういえばなぜか、世田谷区にある高校(母校)に自転車で向かう途中で在るはずのない分かれ道にぶつかってしまう夢(早暁の雰囲気)を視た数日後、東京新聞・夕刊紙上に「滝」のモチーフを了えてあらたに「Y字路」を手がけられる巨匠の紹介記事を拝見し、その一枚のY字路が醸し出すムードと夢の分かれ道との重なり具合に驚嘆したこともあった。
◇さらにそういえば、(WEBのお陰で)最近になってハトコ(大伯父の孫)がタカラジェンヌであることを識ったのだが、亡祖母を最後にお付き合いがなくなってしまった親戚なので、俺も家族も一度もお会いしたことがなく、これからもお会いすることはないだろうけど、ヅカファンとして知られる巨匠経由のシンクロパワーでそのうち彼女と偶然出くわすことになったらどうしよう(...結局、素知らぬふりをするにちがいないのだけど)。
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