衛星TVの映画ばかり鑑賞して視力を回復したそうな

数日前、シネフィルのNさんと八ヶ月ぶりに会う。

最近の生活は、書籍はもっぱらセドるだけで、ひたすら衛星テレビで映画を鑑賞する「鑑賞マシーンライフ」を継続中だと云う。

そのかわり本はめっきり読まなくなった。空気吸うのと同様だったミステリー類でさえ滞りがちになってきた。なんだか小説がきつくなってきた......とのことである。だからこそ可能な鑑賞生活なのだという。

2009年は現在のところ500作品を超えたそうだ。日々労働し家族を支えている父親としてそれだけの数をこなしているのだから、きっとその達成感も大きいに違いない。最近の収穫は、『鴛鴦歌合戦』出演:片岡千恵蔵, 市川春代 他,監督・マキノ正博 だそうです。

このところ近所の古書店は出物なし状態だったのだけれど、玄人セドリから一目置かれ、脱サラ系・新米古書店主なんぞ端から子供扱いのNさんは、こと古本に関しては途方もない魔力をお持ちなので、何かありそうな気配がぷんぷん。

果たして彼は、もってけ棚の、サド『悲惨物語』(思潮社)、ずいぶん昔の『ミステリーマガジン』数冊etcを目ざとくセドるのであった。

私は、旧版『寺田寅彦全集』の端本をみつける。でも即買いしたい気持ちを抑えて、ここでは『Does Technology Drive History?: The Dilemma of Technological Determinismk』というPBを格安で購入。

Does Technology Drive History?: The Dilemma of Technological Determinism (The MIT Press)

Does Technology Drive History?: The Dilemma of Technological Determinism (The MIT Press)

そして翌日、日記を収めた『11巻』『12巻』『13巻』をとりあえず買う。

カバーなし、ヤケアリ、埃臭ハゲシの手沢本なれど、リガチャ(合字)が使用された歴史的版面が素晴らしい! 内容も明治・大正・昭和を生きた理系男子の生活がしっかりと書き残されている模様。

昨今、全集の手沢端本なんて容易にゃ捌けなかろう。明日、残り数冊を求めようかと思っている。