70年代、子供ながらに、たとえばベチトマ博士のようにホレリスカードでプログラミングを愉しんでいたような人物は、おれの周辺には誰ひとりとして存在しなかった。
立派な富裕層子息も少なくはなかったが工学系で早熟な奴はひとりもいなかった。
それでも、仲のよかったA君の伯父さんがコンピュータ技術者だったので、彼に、「一度伯父さんに頼んでコンピュータを見せてもらえないかな?」と打診してみたところ、「おれも頼んだことあるけど『もっと大きくなってからだ!』といわれて断わられたんだよ・・」と、まことに残念な返事なのであった。