マジに宣う
十年以上まえNさんは肩からクビにかけての神経痛が酷く、医者から処方された「頸椎カラー」を使用していた時期があった。
完治したあと(何故だか知らぬが)その「頸椎カラー」を義理の兄にプレゼントしたとのことで、最近その思い出話を口にしたところ、どうしたことか義理の兄当人は一切そのことを覚えておらず、かれの連れ合いである義理の姉も覚えておらず、Nさんの娘も、さらには、頼りとなるべくNさんの家刀自様すら覚えておらず、「もしかすると、あの一連の辛かった時期は、すべておれの模造記憶なのかしらん…」と、けっこう本気で心配する次第であったらしいのだが、ありがたいことに長男君がしっかりその「頸椎カラー」を覚えていてくれたので、「つくづくホッとしたぜ」とのことであった。
その顛末を聞かされた俺は「下手したら リアル P.K.ディック ワールド に突入 じゃないですか!?」と心底呆れたのだが、Nさんは、「いやまったく、もうちょっとでそうなるところだったよ・・」とマジに宣うのであった。。。