Eric Hoffer Truth Imagined, Hopewell Publications LLC,(2005)

平均的な公立高校のサブテキスト、あるいは、夏休みの課題書として最適ではなかろうか。俺が教師なら間違いなく採用する。

翻訳は刊行された当初にサラッと読了したが、いまあらためて原著にあたってみると、しみじみと味わっている自分がいる。

ノンフィクションであることに疑義をさしはさんで、単なるフィクションとして読み進んでみてもしみじみと味わってしまう。

もっとも印象深いのは、無口がゆえに殆ど会話を交わすことはないものの、その英知の輝きに深く尊敬の念をよせている綿摘み労働の相棒を、是が非でもバークレーの大学院に籍をおく女学生の友人に引き合わせようと、ある晩彼の地へ向かう貨物列車の天蓋にとびのったところ、その相棒があっけなく落下死してしまうエピソード。

あまりにも儚く残酷な邂逅......何度読み返してもジーンとくる。

Truth Imagined

Truth Imagined