虚しい思ひ出

17年ほど前に大学時代の後輩Kの結婚パーティに呼ばれて六本木の某店に足をはこんだことがあったのだがパーティの時間の半分以上をKが高校時代に組んでいたコピー(BOØWY)バンドの再結成ライブ演奏にあてていたので心底辟易させられたのだった。
それは BOØWY が好きか嫌いかという話ではなく、また、その演奏力がどうこうでもなく、久しぶりに会った人間たちとの会話を中断させられることが心底虚しかったのだ。

とはいえ最前列に座ったKの御両親がとても愉しそうに(布袋モデルを得意げにかき鳴らしている)息子の晴れ姿を眺めていたので、「これもきっと理想的な結婚パーティのいち形式なのだろうな……」みたいなことをひとりごちたりしていた。