そういえば早春、西郊の河っぺりを歩いていると、すぐさきの児童公園から少女たちの歌声が聞こえてくるのであった。

リーダー格らしき娘がベンチから立ち上がり、ジャングルジムを片手でつかんで一瞬やじろべい的なポーズをとったり、そこから染井吉野にあゆみより青空をみあげたりして、そのほかの娘たちもユニゾンで合わせながら、それぞれが一寸なにかしらのポーズをとったりしていて、自然な歌ごころに発しているにもかかわらず、あたかも複雑なコリオに従っているかのような見事なチームワークだったので、ちょっと足をとめて眺めていた不肖わたくしは、いたく感動する次第であった。
彼女たちの歌が何なのかは皆目見当もつかなかったが、むかし全国的な人気を博した「SPEED」という四人組のメロディーを想起した。