暴対法施行以降では巷でチンピラが素人相手にいきがっているのを目にする事が激減した。むかしは夜の山手線/東横線車内などで酔いを深くしたチンピラが青鬼のような形相で大声をあげて周囲を威嚇してることもあった。

15年くらい前からだろうか、寝そべることが出来ないような仕様の公園のベンチが増えてきて、いまじゃそれが特別奇異には感ぜられなくなってきた。

それと、高層ビル街へ抜ける新宿駅地下道もそのような工夫を施したことにあるとき気づいた(いまぐぐったら「排除アート」と名づけている人々がいた)。わたくしはあスこが通勤路だったことがあり、毎朝かれらの、それこそ目が醒めるような残存体臭に辟易させられたもんだったが、冬なんかは風雨風雪を凌ぐのに格好の場所かと思われたので、そこはまあ、なんたって新宿での話なんだからしようがない事ではあるよなあとは思った。自分だってこの先なにがおきるかわからない。一時的にせよ無一物となってこの街をうろつかざるをえなくなることもあるやもしれないと、そのように考えたからであり、それはいま現在でもそうだ。