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【菊門】って十代の終わり頃に読んだ 澁澤訳『悪徳の栄え』で覚えた訳語だと思う。おなじく【千鳥】ってのがあったけど意味が分かったのはずーっとあとになってからだった。まえにも記したけど、女優・加賀まりこさんは中学生のときに神保町の本屋で澁澤訳を連日立ち読みしていたのだそうであるが、数々のヤバイ訳語については理解されていたのだろうか……。
ぜんぜん関係ないが【チッドレ】は 映画『ブッシュマン』の主人公・ニカウさんが話していた言語のボキャブラリーにあり、よくないことを示すときに使用されていた記憶がある。その逆はたしか【カジャ】だった……。
来日した彼がTV出演を果たした際ビートたけしからバヤリースをすすめられ「カジャ!」(=おいしい!)といって親指を立て笑っていた記憶もあるのだが、共演者はビートたけしではなかったかもしれない。20世紀末にあっても生活形態が原始人とかわらないブッシュマンがオレンジジュースを飲むと如何な反応を示すのかを試してみる「笑い」であったと記憶しているが、もしそうだったとするならば当時の吾々はまだまだ未開人であったということになるのかもしれない。
かのポール・ボネはそのシーンを視聴していたのであろうか・・・。