「はん」「さん」については、映画監督の吉村公三郎著『京の路地裏』にも少し触れられていましたが、本書で紹介されている京の料理「ヤスケ煮」のことがずっと気になっていました。鰻屋でもらってきたウナギの頭をこんがり焼いて焼豆腐と一緒に煮たものだそうですが、さきほどの『大阪ことば事典』の【はん】の近くにある【半助】がまさにウナギの頭のことで、鰻屋の店頭で「ハンスケあります」と札書きされたところにひと山いくらで売っていて、これをオヤキ(焼豆腐)と一緒に煮てたべるとあります。つまり大阪では【半助】、京都では【ヤスケ】というのでありましょう。

実はそのことをたったいま発見したのであります。相変わらずぼんやりと生きてをったことを反省しておりますが、とてもすっきりした気持ちでありぃす。