天童大人先生の日記
前衛舞踏を前にして可笑しさを感ずるのって多数派の反応として当然ですよねかもしれません。というよりも、皆わかりきった顔つきでいるよりは不可解さを素直に反応するひとの顔もあるほうが世界はより豊かな気がします。永田耕衣の会での出来事ということからなんとはなしに寒山と拾得が思い起こされましたが……。

とんがった分野では新しい創造の前に興奮を隠せないひとがいる一方で、全く理解できんという怒気をためたひとやせせら笑っているひと「も」いたほうが面白いですよね。

たとへば、アンデパンダン展でのアンリ・ルソーの作品を前に多くのひとびとが笑い転げたという逸話においては、少なくともわたしは、笑い転げたひとびとの無理解を笑う気持ちにはなれず、ルソーの才能を見抜いた一部のひとたちと共に彼らも芸術の演出者だと感じさせられます。