・TVをつけると、相撲とりの「注射」がばれて協会が窮地に立たされているという報道がしつこい。なにがどうヤバイんだ? 理解できん。しね。
・15年ほど前、上司と外部スタッフの三人で過疎地に出張へ行った(もうその頃から地方は随分とヤバかったんよ)。仕事が終わって宿でメシ喰いながらオレが「情報のデジタル処理化がすすんでインターネットもますます普及して、100年後のひとたちはとんでもない量の(時系列)情報に囲まれることになりますね」と口にしたら即時に二人から「え?」と苦笑された。
・直後に分かったのは、戦中生まれの上司の反応は政治の季節を青年時代に経由していたことに拠っており、外部スタッフのそれは、西日本のとある地域の出身者であり、有体に言えば、同和や在日朝鮮人部落エリアと隣接した町に生まれ育ったことに拠る。
・くわえて彼の尊祖父は水平社運動に関わる教育者だったこともあり、体制側がとる施策の裏話をいろいろと聞かされていたんだそうだ。
・オレは本当に恥ずかしいことに同和問題というのはインフラなどの整備に偏りがあること、つまり単なる分配の問題だと大学に入るまで勘違いしていた。
・それが何かおそろしく根深い問題だと気づいたのは、キャンパスのトイレ等に残されている差別落書きを目にしたときだった。基地外じみた芳しい筆跡だったなあ。
・そのことを彼に白状したら「白土三平くらい読まなかったんですか?」と笑われた。オレが「いや、読んでたし今でも何冊か家にあるしアニメだって観てましたよ。でもあれって封建時代のことだと思い込んでいたんですよ」とだけ答えると、彼は、「いやいやわかりますよ、俺は地元の高校出て上京してからずっと23区内にいますけど、こんなところに生まれ育ったら、知識として教わらない限り分かりっこないですよ」と微妙なフォローをかましつつ、「体制側に都合の悪い情報は残らないように出来ているんですよ。世の中は。」と付け加えた。
・とまあそんなことを、そのときから15年経過したいま、Wikileaks についての報道に接するたびに思い起こす。