河内音頭

町田康『告白』読んで、河内音頭をちゃんと聞きたいと思っておりましたが、鉄砲光三郎のものが図書館にはありませんでしたので、とりあえず、『再発見・ニッポンの音/芸 アウトロー伝説』(テイチク)から京山幸枝若「河内十人斬り(浪曲河内音頭)」を。

そこから、三波春夫 長編歌謡浪曲集』(テイチク)の「元禄名槍譜 俵星玄蕃」「決闘高田の馬場」「元禄花の兄弟 赤垣源蔵」にとびました。

そして、『草原の巨匠たち~モンゴルの歌』(キングレコード)と連聴しましたです。べつに中村とうようを気取ったわけではありません。

最後のはやっぱり、ナムジリーン・ノロブバンザド絶唱「セールゲンティン・シル(At the Zeergen-Grassy Mountain)」につきますねえ。伝統的には単独で歌うのだそうですが、ここではモリンホール(馬頭琴)の間奏があります。いつかノロブバンザドさんの演奏会に行きたいなあと思っていたんですがもう5年も前に亡くなっていたんですね。そのちょっと前に来日公演されたはずでしたが行けなかった......残念。

あと忘れてはいけないのが、「四季の草原(ボグンドー:bogino duu:Dorvon Tsagiin Tal)」です。1968年に発表された楽曲で当時のモンゴルにおいては非常にモダンな調べだったそうですが、超名曲です。何度聞いても飽きないですね。
オルティンドーやホーミーを聴いて立ち現れる風景はやはり高原なわけですが、行ったこともないのに、というかよく知らないからこその連想として「水平」の緊張感があります。
日本という島国で暮らす自分は「垂直」にこそ超越性・非日常性を見出すのですが、異民族侵犯の脅威あるいは領土拡張が民族の歴史を語る上での絶対要件である彼の国では、「水平」に見出す超越性・非日常性の度合いが日本とは比べ物にならぬほど強力ではないか、と思ったりするわけです。


星とともに走る―日誌1979‐1997

星とともに走る―日誌1979‐1997

Virtuosos From the Mongol Plateau

Virtuosos From the Mongol Plateau