2015-03-22から1日間の記事一覧

『眠狂四郎虚無日誌』(新潮文庫)

p.18 「さっても、時はいつなんめり、天延四年春なかば、渡辺綱は上意にて、さしかかったる一条堀川戻橋――」 立川談亭は、高座で、張り扇で読み台を叩いておいて、夏羽織を脱ぎすて、 「月もおぼろの七つ刻、アレ鐘が鳴る、犬が啼く、いま鳴る鐘は、初夜の鐘…