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社内でもっとも愛されている美人姉妹(という評判)の片割れSちゃん(20歳)がヘルプで隣席に座ることになったので極力(いわゆる)オヤジギャグは控えていたのではあったが、彼女が、山田洋次監督、渥美清高倉健などを「名前はどこかで聞いたことがあるかもしれない」レベルの認知度であることが判明したときは思わず、「い、いまの聞きました!?」と管理者(女傑)にむかって叫んでしまい、「聞いてたよー、『あ・あぶねーなー』と思いながら聞いてたよー、やるせないよねー」と妙な慰め言葉をかけられる始末であった。

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たまたま隣席だったHさん(LD系)からつまらぬいちゃもんをつけられたので「がんばりマスク!」と軽快に駄洒落で返したら、「まったく意味が無い」と無表情のまま全く意味の無いコメントをよこしたので、今度は、「がんばりマスク、イーロン・マスク!」とラップにして返してやると、「だからまったく意味が無い」とこれまた無表情のまま意味の無い返答をするので、「『イーロン・マスクが頑張ってとてつもないマスクをつくりだす』くらいのことにイメージが及ばぬとは(いやはや)」と歎いてみせると、HさんはPCのモニターを見つめたまま「あ・んーーー」と小さく唸って《それはありかもしれない》という表情を一瞬垣間見せたのではあったが、「しっかしくだらねーなー」などと五十になるのにまったく大人気ない言葉を吐くので、乃公様は彼を心底見下げた次第である。