或るものぐさライフハッカーの挫折(一)

じつはおれイエロー帽子社長の掃除本を読んだことあるんですよ。
というのも、「気鬱退治には掃除が効果があるというのはたびたび耳にすることだけど掃除をせずとも掃除についてのノウハウ本を読むだけで気鬱をやっつけることができるんじゃないのか?」ってひらめいたからなんです(どうしようもない怠け者ですよね。でも鬱のときって身体を動かすの大変じゃないですか?)

それで、のそのそ近所の図書館に出向いて「掃除」で検索したところイエロー社長本がヒットしたのでそのまま借り出した次第なのですが、家で読みすすめるうちに(事前の予想どおり)頭のなかがスッキリするような感じがし始めたんですよ。「きたきた! これはもう『ライフハック』と称してもいいくらいのレベルじゃないのか?」ってな感じで。

ところが、中共に招聘された社長が某大学のトイレで掃除の手本を示す仕儀となったそうなんですが、連れて行かれた先のトイレというのがすさまじいトイレで、流されないSHITがこんもり山盛りとなった阿鼻叫喚トイレだったとのこと――。

それで社長はどうしたかというと、鼻をつまんだ中国人学生らが固唾を呑んで見守るなか、なんと素手でSHITの山盛りをそのまま大便器に押し込んだそうなんです。なんだかわかりませんがそうしないと(素手でないと)ダメなんだそうです。

驚愕する中国人学生たち・・・。

驚愕する読者としてのわたし・・・。

そこで読むのをやめたというのはウソで一応最後まで読んで返却しました。

もうちょっとノーマルな掃除ノウハウ本を読めば素敵なライフハックとなるのかもしれませんが、「掃除のノウハウ」という観念と「SHIT山盛り」観念が悪魔的な連合関係を結んでしまっているので、それが解かれないかぎり無理のように思われます……。