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京王線だか東武東上線だかの、どこかマイナーな駅で路線バスに乗り換え、2ツほどさきの停留所で降車するはずだったのが、本だか資料だかの内容を確認しているうちに終点まで来てしまったことに気づく。
当バス終点はとんでもない遠隔地にあり、日本海にほどちかい(が海はまだ見えない)農地ばかりの田舎である。
再度このバスで折り返そうか、それとも、停留所のすぐさきに見える、古い県営団地のような集落に小さな商店モールがあるみたいなので、そこで昼飯をくってから戻ろうか迷っていると、運転手が「このバスの次のバスは28時発だから東京に戻るならこのまま折り返したほうがいいよ」と、こちらの心中を察した言葉をかけて呉れる。
その運転手は、36歳のときに不幸な死に方をした高校時代の同級生FSだった(顔は高校時代のときのまんま)。
「そうか、FSはバスの運転手をしているのか……」と、彼がちゃんと生きて居ることを知って、なんとなく安心する。