中国古典文学大系 (8) 抱朴子 列仙伝・神仙伝 山海経

「巻ニ 逸民」(p.105)

世の乱れが久しくなると、出世競争が一般の風俗となる。或る者は賄賂でもって、或る者は仲間の引きで、一足飛びに立身する。この風が習いとなれば、大道はようやく廃れる。後輩は無知となり、儒者の教えは遂に亡んだ、それというのも立身が財産によらねばかなわないためであろう。その門を閉ざして一心に道を楽しむ超俗の士が一人でもあれば、これを優待して謙譲の風を興すべきである。