P・ボネ『だから日本は叩かれる』(角川文庫/平成元年)['87年執筆]

引用させていただきます。
(pp.38-39)

   欧米人は寿司が苦手が本音

 食事に関して日本の方々にちょっと忠告したいのですが、日本料理は一昔前に比べると、ヨーロッパ、アメリカでポピュラーになったことは事実です。しかし、どうも日本の人は今度は逆に自信を持ちすぎてしまったのではないでしょうか。
 フランス人同士で忌憚のない意見を交わしますと、やはり寿司、とくに生のお魚は苦手です。
 (略)
 ヨーロッパの人間は、わざわざ金曜日に魚を食べるということを強制しなければ、ほとんど魚となじみません。やはり肉が好きです。
 (略)
 要するに、日本人も欧米人も、常識的に変わりがないのは、外国人と付き合うときはお世辞の世界だということです。
 寿司屋に連れて行って、「うまいだろ」と言われたら、みんな、「うまい」と言いますが、内心非常に困っている人もいるわけです。