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新曲にせよリバイバルにせよヒット曲が随所においてBGM化されると、それを自分はどんなシチュエーションで初めて聴いたのかをすっかり忘れたりするもんだが、サラ・ブライトマンの Time to say goodbye についてはしっかり覚えていて、それは、当該アルバム絶賛売り出し中の新宿・紀伊国屋本店(CD売り場)なのだった。
「こりゃまたえらくウルウル・ツヤツヤとウルツヤ仕上げしとるやないかー。ヒーリングミュージック系が好きなくちにはたまらんのやないか?」と妙に感心していたところ、横にいた小母さんが「いまかかっているこの曲のCDください!!」と、たまらずレジに駆け込んだのを目撃したのだった。
レジのおねーさんは「はいはいこちらですよー」と、これまた嬉しそうに、レジ横に大量陳列されていた一枚を手にとるのであった。
俺は、「小母さんよかったね。こういうことがあると少なくとも両一日くらいはハッピーだよね。羨ましいスよ」と心中で言祝いだのだった。