ちょっと天然キャラ的な面白さがあったお嬢様育ちのA子さんは、あるとき某出版社のバイト募集を目にして一もニもなく面接に臨んだそうだ――「経験不問」の四文字に惹きつけられて。
問い合わせの電話口では「女性スタッフもいるにはいますが、貴女、やっていけそうですか?」と訊かれたので「大丈夫でーす!残業も全然OKでーす!」と元気よく答えたらしい。
しかし、待合室に置かれていた制作媒体を一瞥した彼女はスタッフに何も告げずにそのまま家に帰ってしまったそうだ。A子さんは、そこが月刊SM雑誌を発行する某有名エロ出版社であることをそのときになって理解したらしい。
「一応中味は確認しなかったの?」と訊いてみると、「と…とんでもありませんわっ!」と吃驚した表情をして見せたのが可笑しかった。。。