はじめてロックTシャツを買ったのは中学校3年生の夏だったかなー。

シンコーミュージックが商っていた ロック座まで行って、RUSHの黒Tシャツをこうたのだったな。中学生にとっては非常に高価な品だったと記憶している。

当時はまだ半蔵門線が開通しとらんで、日比谷線〜千代田線で新御茶ノ水で下車したのだった。

その次に行ったときはGジャンに縫い付けるワッペンをこうたのだった。
レインボーの『Rainbow Rising』のジャケットのやつと、ジューダスプリーストのロゴだった。これも高い買い物だった。

そん次はよせばいいのに原宿のBL∀CKで、ジョニー・ロットンが着ていたハーネスシャツというのもこうてしもうたのだった。ばかみたいに高価だった。当時の価格で聖徳太子一枚だったと思う。でもそれを着たところで、靴はバスケットシューズだし、己れの存在の匂いにはロック的な要素が零だったし、鏡をみて「あ・あ・お・お己れは服とかで・で・格好つけつけつけ・る・ことが精神的に耐えられないに・に・に・人間なんだなあー」と山下清のようにひとりごちて、それ以来、髪型もふくめて凡人のままでいることにしたのだった。

だからGジャンもレインボーのやつを背中にぬいつけ、ジューダスのやつを胸にぬいつけ、あと、モーターヘッドの安物の、なんて呼ぶの品物なのかド忘れしたけど、ピンでとめるやつ(追記:バッヂ)なんかで誤魔化して着ていたのだけれど、やがてそれもバカらしくなって、ロック的なものとしては、高校2年生のときに新宿のションベン横丁脇にあった店で買ったランディ・ローズのTシャツを着るくらいで終わったんだったけ。それ以降は迷彩Tシャツを着ていたように覚えている。

HR/HMのファッションって、どう考えても体格ががっしりしているか、なよっとしているけど綺麗なお顔をしているか、どう表現していいか分からないがおれの主観でロック的なかんばせを有する人間でないと、とてもじゃないけど見てられないと思っていたので、正直憬れる気持ちは殆どなかったように思う。

真実クールでカッコイイんだけど、なんていうか、何か表現する能力が備わってこそのもんなんだろうと思いながら眺めていたのはTGだったな。ふつうの服装なんだけど物凄いオーラ。音楽聴く前からただものではないことが一目瞭然。「そうだよ、なんでもない服着てるけど、自身が醸し出す何かによって、その服装自体に魅力を纏わせるような人間になるべきなんだよ!」とひとり頷いた。

でも、大学入学後サークルの後輩女子に言われたのが「先輩…あの…もう少しちゃんとした服きたほうがいいかと思いますよ…」であったのであったのであった。