鈴木信太郎展

「緑の構図」1936年

忘れないうちに。
先日、鈴木信太郎展」に行って来ました。といっても、マラルメの訳者ではなく、洋画家のS.Sです。
幼児の頃から近所のケーキ屋さんの包装紙でお馴染みだったのですが、偶々お店の展覧会用ポスターで、その名前を知った次第でした。

この度は16年ぶりの展覧会だったようですが、行ってよかったです。
日本のボナールと呼ばれたこともあったそうですが、素朴派との共通点も大きいと思います。実際、「金魚と青い本」(1924作)に描かれた青い本のタイトルには、”Henri Rou...”の文字が読み取れます。アンリ・ルソーは当時から日本でも人気があったのだろうか。

私の主観では、鈴木信太郎の作品は静物画がひときわ秀逸であると感じました。殊に、桃色、朱色、緑色の配色が抜群です。また、ハイライトのセンスのよさに驚きました。たとえば、それほど採光されていない部屋の金魚鉢と金魚の腹から反射される小さなキラメキの美しさが「「金魚と青い本」に確認されます。

メモに残すのを忘れたので不確かになってしまいましたが、一作だけ、”Nobutaro Suzuki”のサインがあったはず。"野豚郎"と、なにかシャレをつけてみたのだろうか(......でも、すごく真面目そうな性格とお見受けしたので、私の錯覚だったのか)。