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(最近頭のなかが仙花紙になつてきてゐる気がします)
フェティシズムとして片付けられてしまうかもしれませんが、旧ヴァージョンの方がイイ問題としては、とくに仙花紙句集・詩集(あと探偵・猟奇ミステリー)なんかもそうじゃないかと思います。なんつーか仙花紙による粗悪な組版には、戦中・戦後の鬱勃とした精神と、<焦土/バラック/犬捕り/ビルヂング/夜陰>の妖しさのやうな一言では表し切れない何かが綯交ぜとなって、視覚・嗅覚系ノイズとして沈着・背景化しているように感じるのです。
(仙花紙ではないですが)
ポプラ社の少年探偵団シリーズについては、昭和50年あたりの刷りが、擦り切れそうな活版によるヘナヘナ活字と、きっちり摺りあがっていない柳瀬しげる画伯の挿絵の具合が絶妙じゃないかと感じてをりますが、これは単に、「自分が耽読したときの思い出が一番」だと主張しているのと変わらないのかもしれません。
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