文学賞の受賞風景で想像力を刺激されるのは、やはり、第一回中央公論新人賞の深沢七郎だろうか(それしか知らないのだけれど)。地味なジャンパーを着たさえない中年男受賞者が大家を前に大人しく座っていて、武田泰淳(三島由紀夫?)から「どなたに見てもらったんですか」と訊かれ「丸尾長顕です」と答えるシーン。
加えて、谷崎潤一郎賞の受賞パーティーで“やくざ踊り”を披露したというのも楽しい逸話だ。

町田康さんが浪花節を披露したのはどういう場だったっけか? アラーキーのパーティーだっけか。

ずいぶんまえに、BIGBOX高田馬場古書市で、高木護『やくざ踊り 戦後の青春1』(たいまつ新書)を見つけたのに買わなかった。近所の図書館に置いてあるんだが、即買いすべきだった。忸怩たる思いだ。