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ジョン・ギラーミン監督 『キングコング』を観たときの記憶としていまだ印象深いのは、たしかパンフレット(or チラシ) に寄せてあった草刈正雄さんの文章の最後に「ジョン・バリーの音楽もよかった」という一文があったことである。

小学生のおれはキングコングの特撮ばかりに気をとられていて音楽なんてほとんど気に留めていなかったので、映画の評価というものは映像だけでなく音楽も込みであることをその文章からエレガントに教えられた気がして、しばらくのあいだ草刈正雄さんをとても知的な俳優として認知していたのだった(その後は物凄くカッコイイ俳優さんとして、最近では三の線も演じられる巧みな俳優さんとして受けとめている)。

そのあと立て続けに『未知との遭遇』『スター・ウォーズ』がロードショー公開されたので、いかに映画と音楽/音効とが密接な関係にあるのかを、小学生ながらより深く認識したのだと思う。