昨日視た夢

どこかのギャラリーのような飲食店のような場所のテーブル席から、向かいにある背もたれがラタン風になっている椅子を眺めているうちに、その、見紛う方なき一脚の椅子が、むかし一緒に働いていた Y君であることに気づき始める。

「この椅子はY君だよな・・」と呟きながらもう一度よく見るとたしかにこの椅子が Y君であることがわかる。

「やっぱりこれはY君なんだよ」とひとりごちると、突然、いつのまにか隣に座っていたらしい 生身のY君が「そうだよ」と答える。

「すごい久しぶりだね、25年ぶりくらいか?」
「そんなになるかねえ・・・」
「いまでも編集者やってるの?」
「********」
「えっ、何?」
「********」
かれは淡々と返答してくれているのだがなぜか声が伝わってこない。
そのうち目が醒めた。

もちろん、「オリバー・サックスの『妻を帽子とまちがえた男 』かよっ」と、寝ぼけまなこの自分に突っ込みを入れるのを忘れなかった。