先日なくなられたサンビストのビクトル・古賀先生は30年以上昔のコラム(『格闘技通信』の連載)で立ち技と寝技の違いを述べておられたが、たしか寝技を「蒲団風呂敷を綺麗に折りたたむ」ことに喩えていらしたと記憶している。「折りたたまれてしまった方も納得するように折りたたんでいくのだ」というようなことであった。
おれは格闘技はずぶずぶの素人であるが、たしかに、「蹴られるほうも納得するように蹴るのが立ち技だ」――とはならないような気がして妙に納得してしまったのだった。
先生のコラムにはたとえば「厳寒期のソ連では凍死した鳥が空から落ちてくる」などのような面白い逸話もあって毎回読むのを楽しみにしていた。
合掌。