野矢先生の『無限論の教室』の思い出は、じつは、Nさんなんだよな。
「いちおう読んでみたけどサッパり分からなかったぞ・・」と云うので、「実無限とか可能無限とか或いはべったりにょきにょきとかがですか?」と訊いてみたら、「いや、もう、はなから書いてある事がまったく理解できなかったぞ!」とのことだった。
「あのような世界などには寸毫も興味を抱いてはいないけれど何故か流行ってるみたいだしちょっと気になるからサクサクッと読んでみよう」というヒトは、もともと「理解する」という積極性が完全に欠けているので、あのような領域のことは、対話形式だろうと、マンガだろうと、音声/ヴィデオ教材だろうと、とにかく一切が時間の無駄なんだろうなあと、なんかちょっとした発見のように思えたものだった。