中学校1年の夏休みの読書候補について何気なく亡父に相談してみたところ、「小学生時代たけど山本有三の『路傍の石』を読んだときは涙が溢れてしようがなかったよ・・・」と感慨深げに述懐するので、「それだ!」と思ったおいらは直ちにソレを買ってきて読了した次第なのであるが、なぜだか「文選工」になることにものすごい憧れを抱いてしまい、「お父さん、おれ文選工になるよ!」と宣言のような感想を述べたのであった。
そのときの亡父は、「な、なんだと?」みたいな、「こいつ、まだ本の読み方が分かってねえのかもしれん」のような、つまりは、一寸困ったような表情をしていた。