昭和49年の多摩川決壊の記憶は殆ど残っていないが、翌月だか翌々月、クラスメイトだったH君を誘って亡父に釣りに連れて行ってもらったことははっきりと覚えている。

東横線多摩川園前駅で降りて河原に出て、随所に放置された泥まみれの蛇籠を横目にしつつ、ちょっと上流のほうまで歩いたんだった。

夕方帰途につくとき、当時著名だった野鳥カメラマンの方が対岸(川崎市側)でカメラを構えていたのを、仕事で付き合いのあった亡父が目敏く見つけてなにやら大声で話していたのが、記憶に残像しているその日の最後の光景だ。

浅間神社下にあった釣具屋さんはもうとっくに閉店しちゃってるだろうな……。